レギュレータを新電元社製MOSFETに換装
先日出勤中にBuellが動かなくなった。09年Buell XB-12Ssに新電元社MOSFET「FH022BA」を流用できたので紹介します。Buell以外でも普通のMFバッテリーなら、他どのバイクでも同じように流用できると思います(流用はBuellにしても他バイクにしても自己責任で)。
動かなくなったのはなぜ?
結局、レギュレータがパンクして充電されなくなったから、だと判った。
今後の対応について、バイク屋さんがいろいろ調べてくれて、いくつか選択肢を提示してくれた。
- まずBuellの純正部品はもうない(どこにも在庫がない)
- ハーレーダビッドソン純正の同等品がある、が工賃(ステー作成、コネクタ変更、配線など)込みで7万円ほど
- Buell純正がネットオークションで出ているが、中古品はいつパンクするか判らない
- 社外品は保証できない
いずれにしても自分でやらなくちゃ、ゴールデンウィークに走ることはできない感じ(バイク屋さんはGW明けるまで車検ラッシュで手が空かない)。
ではどうする?
やっぱり新品のレギュレータを手に入れて、工夫して流用するしかなさそうだ。できれば誰かの実績があって、配線や手順も参考にできるに越したことはない。ネットを探しているとYAMAHA YZF-R1に採用されているものがkunのBuell XB12Ssにそのまま流用できそうなことが判った。もちろんコネクタ変更や車体へのマウントは工夫しないと、だけど。
バイク屋さんから該当のレギュレータを手に入れられそうなことが判り、さっそく発注。
09年式のXB12Ssはオルタネータが単相になっているらしい。YAMAHAの入力は三相交流だけど端子二つだけにして使えるらしい。。そもそも三相でないものはまあナイらしい。出力は普通のMFバッテリーなら同じはず。
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「新電元工業」のMOSFETレギュレーター「FH022BA」だ。 ヤマハのパーツカタログの定価は13,970円(税込)。思ったより小さい。そしてネットでよく見る形とちょっと違う。コネクタも5ピンのものが一つだけ。他の人はちょっと旧型でコネクタのクチが2個あるもの「FH020AA」を使っている例が多い。 |
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5ピンのコネクタはこちら 赤い字で「別売り」としっかり書かれているように、一緒に「端子」と「ワイヤーシール」も購入しないと、プラスチックのコネクタ本体だけで、バイクと電気的に接続できないので注意。 購入部品はレギュレータとコネクタだけ。部品代は15,400円だけ。▲54,000円も節約! |
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パンクしてしまった純正のレギュレータ。 交流発電機のオルタネータから出てくる交流電流をバイクの中で使う直流12V(バッテリーと同じ電流)に変換してくれる装置。 ちなみに正しくは「レギュレート・レクチファイヤ」で、定電圧のためのレギュレータと、整流のためのレクチファイヤが合体しているもの。どちらも中学の「技術」で習うヤツ。 |
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留めている3つのネジを外すとこんな感じ。新しいレギュレータはどうやってマウントしてやろうか。。 |
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純正レギュレータの配線をたどって、車体に押し込んであったケーブルを引き出してみた。さて配線もどうしてやろうか。。純正のコネクタは活かしたい。 純正レギュレータの近くで切断して、新電元レギュレータ用コネクタを付けてやるか。。 |
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まずは純正レギュレータを取り外してみた。 |
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長い方がAC(オルタネータ)側で丸いコネクタ。短い方がDC(バッテリー)側で四角いコネクタ。コネクタはどちらもあまり見たことのない形状。 |
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純正の配線はそのまま活かしてやることにした。 というわけで根元からブチッと切断。なんとも寂しいお姿になってしまいました。欲しい人もいないでしょうから、kunのバイク部品アミューズメント行き。 |
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さて、Buellへのマウント。新しいレギュレータは小さいので、元の純正の大きさに切り出したアルミ板のマウンタを介することにした。問題なく取り付けられそう。 純正から型をとって、2mm厚のアルミ板にケガキして、鉄ノコで切ったりヤスリを掛けたりしてこんな形にした。高さだけ純正レギュレータより15mm長くした。コネクタを収めるため。。。 |
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新しいレギュレータをマウンタに取り付け。 コネクタをどちら向きに付けるかは少々悩んだけど、結局この下向きにしか付けられなかった。他はどこへ向けてもコネクタが何かに干渉してしまう。 上向きは水の心配と、エンジンの真ん前なのが心配で不採用。 |
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続いて電気関連に着手。 純正の配線にコネクタの端子を圧着。少々太い配線なので、ちゃんとした圧着工具を使った方が無難。そしてバッテリーから来ている線の極性を確認。プラスのほうに赤い絶縁テープを巻いておく。 そうそうこのままブラブラさせるのはここでショートしてしまうのが怖いので、コネクタの端子の周りに絶縁テープを巻いてやった。 |
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さて「FH022BA」へのコネクタの配線。 いろいろ調べたら「AC-INは多分コレ、DC-OUTは多分これ」というのは判ったのだけど、DC-OUTの極性が今一つ信用できなかった。そこで実際にAC-INにバイクのオルタネータからの線を仮に接続して、エンジンを掛けて出力をみたところ、、 |
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左のとおりでした。ついでにちゃんと14.5V出力されているのも確認できた。 ネットの情報が正しかった(DC-OUTの極性が信用ならなかったけど、結果こういう向きの配線だった)。 |
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(2022/5/4) 調べたとおりコネクタに配線。コネクタに向かって配線していて左右逆にコネクタの脚を挿してしまわないように、、、何度も確認してから組み立てる。 |
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ぎりぎりなので、コネクタを付けてからBuell本体にマウント。少しでもコネクタと配線に余裕ができるように5mmのスペーサを噛ませた。いい感じ。キレイにマウントできました。熱の問題はどうなんでしょう。 レギュレータ自身の発熱はMOSFETなので無視していいとして、エンジンからの輻射熱が心配。 |
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全部接続して最終確認。ちゃんとバッテリー端子の電圧が14.5Vでている。電流計の読みは、アイドリングで全部ヘッドライト点けてファンはフル回転の最大負荷、で2.4A。 よさげなので試し運転。レギュレータが逝っている時に、フル充電からすっからかんになるまでに辿り着けた距離を越えて、走ってくることができた。途中びくびくしながら充電電圧を計って、14V来ているのを確認しつつ。。 |
レギュレータのトラブルはこれまでの25年ばかりのバイクとのつきあいで初めてだった。これは「幸いなことに」なのかもしれない。。 また、小型で高性能なレギュレータ「FH022BA」が商品化されていて、これまたいい具合に手に入れることもできて、ラッキーこの上なかった。これでしばらく安心してツーリングにも出かけられる。。はず。 結果的に大した苦労せずゴールデンウィーク中に何とかすることができました。今回のトラブルを通して一番大変だったのは、充電不足でBuellが動かなくなって二日連続で出勤できず、多くの方に迷惑かけてしまったことかな。。。スミマセンでした。 あ、他に、途中でちょっとしたトラブルもありました。。 |
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抜いてみると少しススけていた。ススを落としてやったらエンジンがかかった。最初片肺だったけど、少し回しておいたらちゃんと2気筒とも燃焼してくれた。。あせった。 またカブってしまったり、これ以上ムダにバッテリーの電気を食ってしまわないように、自動車のバッテリーからブースターケーブルで電気を借りてエンジン始動した。もちろん自動車のエンジンも掛けておく。 |
end…