XB12Ssようやくエンジン快調に!ECMSPYを使う

排気をコントロールするバルブを固定してやって、だいぶ扱いやすいエンジンになったんだけど、だんだんおかしくなってきた。なぜだんだんおかしくなるのか?

今回ようやくこの“だんだん不調”になるXB12Ssを“快調”にセッティングすることができたので記録しておく。

さてBuellでは、パワーコマンダーのようなサブコンを使わなくても、直接EFIのコントローラ(ECU, ECM, とかDMEと呼ばれている)の設定を変えるためのインターフェイスが用意されていることが判った。そこへケーブルとWindowsソフトで設定することができるのを知った。まずは必要なものをそろえるところから紹介する。

※BluetoothとAndroidのアプリで行うのもある

ECMSPY

まず最初に、ECMの設定を変更する「仕組み」はなにがいいのか?

なんとなくソフトは「ECMSPY」というものでよさそうなのが判った。このソフトを提供しているこのページにたどり着いただけで、もう本当にラッキーだった。

このサイトは、ECMSPYを使ったBuellの燃調のイロハから応用や事例、ECM書き換えの手順まで、いろいろ紹介されている。全編英語(もともとはドイツ語らしい)なのでGoogle翻訳をフル活用。Buell関連のweb記事が多い2010〜2014年くらいには、このサイトがあったのか、、またGoogle翻訳は2021年の今ほど便利だったか。。 ラッキーこの上ない。
自作したBuell用ECMケーブル

接続ケーブル作成

いろいろなサイトで触れられている「ECMケーブル」。BuellのECMとパソコンを接続するケーブルだ。これもECMSPYのサイトに詳しい。ECMケーブルとして販売しているものもあるが、部品を取り寄せて自分で作った方が少々割安だし、なにより信用できる。

ECMSPYサイトの「Assembly of the EcmSpy Cable」に詳細に書かれている。

工具は特別なものは不要。ピンと導線の結線は、圧着工具があるとカンタンだけど、工具はラジオペンチやプライヤーで代用できる。ECMSPYのサイトではハンダ付けしているが、ハンダ付けはしなくてもいい。自分で使うだけならこれでOK。

作ったケーブルはシート下のコネクタに挿し込む。前のオーナーも何かしら挿していたみたいでベルクロで留めてあった。

このケーブルは二つの部品でできている。以下は購入手配の参考に。

  • コネクタ:
    電気コネクタ端子 4ピンウェイ DT04-4P DT06-4S セット −475円 〜検索してみてください〜
    必要なのはメス端子の「DT06-4S」だけど、わりとセットで販売されている。
  • USBシリアル変換ケーブル:
    共立プロダクト(KP-232R-3V3)−1,790円 〜モノタロウで買えます〜
    FTDI社の[FT232R]チップが内蔵されているのがミソ。ただのUSBケーブルではないので注意。

ドライバのインストール

あとこのUSBシリアル変換ケーブルはちゃんとしたデバイスなので、Windowsにドライバが必要です。PCにケーブルを挿す前にインストールしておくことが大事。ドライバの入手とインストールについてはこちらのサイト「MONOxIT」に詳しい。

参考)ECMSPYサイトには他に、BluetoothでBuellと接続するものも紹介されている。こちら→「EcmSpy wireless connection with Bluetooth

ソフトのダウンロード

もちろんECMSPYアプリ自身はECMSPYのサイト「Downloads」のページからダウンロードできる。
ただ先に、もう一つダウンロードしてインストールしておくものがある。

「Mono Runtime」だ。左の画面からWindowsPC用をダウンロード。

Buellとパソコンを接続

グッと我慢

すぐにつないで設定に入りたいところをグッと我慢。

とにかくECMSPYのサイトの「User’s Guide(PC)」を一通り読む。画面のタブごとに説明ページがあるので、和訳と英語と実際の画面と突き合わせて、なんの設定で、どこに効くのかをざっと押えておく。

最初が肝心

直接現物のECMの設定テーブルを書き換えてしまうので、まずは現状をバックアップするところから。。なんだけど、接続「Fetch」すると勝手に保存される。一応自分でも最初のオリジナルを保存しておく。

なお、昔はECMSPY、評価版と有償版があったらしい。評価版ではECMへの書き込みができなかったようだ。ところが最近はダウンロードできるソフトは1種類で、このソフトでちゃんと書き込みもできる。グラフ表示などがなくなっているようだけど、多少見た目は違うだけでちゃんと使える。

そしてとにかく、現状のECMSPYサイトのユーザーズガイドは至れり尽くせり(2019-09-22に最終更新らしい)。何かうまくいかなかったら、ユーザーズガイドに戻ると、なにかしらの答えがそこにある。

良参考サイト

参考にさせてもらったサイト。
Revision Moto – Buell Motorcycle Tuning Exhoust Parts

こちらの「TUTORIALS」が秀逸。大変参考になりました。特に「DISABLING CLOSED-LOOP」は一旦、試してみる価値あり。真っ黒な画面に大きな文字、、とても怪しげなページ(kunは初回スルーした)だけど中身は役に立ちました。

結局、パワーコマンダーでの燃調の経験が大変役に立った。薄いか濃いかを見て、その部分をちょっと変更して、乗って、また薄いか濃いかを見て、、、の繰り返し。

パソコンをリュックに入れて走りに出かけるのもまた面白い。これBluetoothとAndroidでやったら、コックピットに鎮座しながら設定を変えられていいかも。

ちなみに、、、左は現在(2022年5月)のフロントバンクのマップをExcelで視覚化したものです。だいたい全体が調整できた所で、どこかが落ち込んだり突出したりしないように、Excelで上手い具合に当てはまる関数で平滑化した。始動のあたり(グラフ左側;1,000rpm以下の中央で凹んでいるあたり)だけは試行錯誤で決めた。

リアバンクはこれの95%、単純にExcelで算出しただけ。

これがなかなか上手い具合。どこからでもスムーズにパワーを引き出せる!

結局

結局どうやって設定したかというと。。

《そもそも》

前のオーナーいじりすぎ

「Corrections」「O2 Setup」のあたりを極端にいじってあったのが判った。燃調マップもその帳尻を合わすためにやたらと薄い設定にしてあったようだ。だんだんおかしくなるのもキャリブレーション(センサーからのフィードバックによる自動調整)の一環の「Learning Closed Loop (LCL)」の状況に入ったときの「Adaptive Fuel Value (AFV)」の設定の問題だった。
あと、なぜか2000rpmを軸にやたらと濃くしてあった。そして2000rpmのちょっと下はやたらと薄くしてあった。おかげで薄い時と濃い時の症状が両方出る時があって悩んだ。なんでそうしたんだろう。。。なにか特別な装置が付いていたのか? 謎。
あと、存在しないセンサーの「Error Marks>Sensors」が設定されていると、コンピュータエラー(メーターインジケータのオレンジが点灯)がでる。2009年XB-12Ssでは「Airbox Pressure Sensor」が該当する。ようやく突き止めてエラーインジケータを消すことができた。。

《コツ大前提》

必ずTPSを初期化する

ROMデータを書き込んだりするとTPSがだいたいズレる。しばらく乗っているだけでもズレるらしい。だいたい上ずっている。
走り出す前に必ずTPSを初期化する。
方法は年式によって違う。09年は(1)キーONして、(2)スロットルを全開で5秒程待つ、(3)スロットルを全閉で3秒程待つ、(4)続けて(2)と(3)を3回くらい繰り返していると、TPSが20〜27くらいに落ちてくる。もちろんECMSPYでリアルタイムにTPSの値を見ながら行う。
ネタ元はこちら;ECMSPYの公式サイト「Tuning Guide Version 2」

《コツその1》

出荷時の初期設定から

いわゆる出荷時の設定を手に入れられると楽なんだろうけど、現状kunのBuellとECM Typeが同じで、まともなものはネットに転がっているのを見つけられなかった。。ECMSPYのサイトのユーザーズガイドを参考にだいたいの元の値を探りながらコツコツ入力。

そこから少しずつ現象に合わせて細かく調整。例によってネットにある「こうしたらよくなった」は自分のBuellにはそのまま使えない。やっぱり基本を勉強して、自分のBuellの状況(濃いか薄いか)を確認してから、ちょこちょこやっていくのが一番早いかな。

《コツその2》

燃調は「濃い」か「薄い」か

パワーコマンダーの設定のコツ、でも触れたけど、(1)どの回転数で、(2)どのくらいのスロットル開度(Buellは「LOAD」の数値)の時、(3)「濃い」のか「薄い」のかを判別して、それを記憶か記録しておいて、あとは濃過ぎるところは薄く、薄過ぎるところは濃くなるようマップの数字を変えてやればいい。

なおLOADの数値はスロットルポジションの初期化をちゃんとやらないと、意味がない。ちなみにkunのXB-12Ssは初期化直後の全閉が「22」とか。「0」ではないことに注意。

※濃い/薄いの判別はパワーコマンダーのページ[表1 よくある症状と原因]にまとめておきました。

《コツその3》

デジタルな仕組みを活かす

設定をいくつでもファイルとして保管しておける。設定の目的をメモとしてファイル名にしておけば分かりやすい。そうそう設定ファイルで「一つ前」とか、「あの時の」と比較するには、ECMSPYを複数起動するとよい。WindowsのタスクバーにあるECMSPYのアイコンを右ボタンクリックのメニューから「ECMSPY」を選んでやると、もう一つECMSPYが立ち上がる。メモリが許す限り何個も立ち上げられる。
ただどのウィンドウがどの設定か判らなくならないようにしておく。

《終わりに》

急がば回れ

さて、「このマップでパワー全開」とかいうデータをネットから拾ってきて、やみくもに書き込んでしまっても「快調」には、まあ辿り着けない。パワーコマンダーの時もそうやって結局あきらめてしまった人を何人か知っている。。(中には「パワーコマンダー入れてもちっとも良くならない」とコネクタを外しちゃった人も、、何とももったいない)

パワーコマンダー燃調セッティングのコツ

ちなみに

Google先生によると、EFIのコントローラの名前で世の中で使われている頻度を見てみると…

「ECU」:約 103,000,000 件
「ECM」:約  67,800,000 件
「DME」:約   6,390,000 件

らしいです。ただBuell界隈では「ECM」が一般的らしいので、ここでは「ECM」で扱っています。
DUCATIでは「ECU」かな。。。

参考

参考にした情報ページ:
※英語があまり得意でない方は、Googleの翻訳サービスを活用しましょう(Chromeで見てたら右ボタン>「日本語に翻訳」をクリック)。自動翻訳でも充分理解できるように書かれています。kunももちろん大いに活用させていただきました。

ECMSPYのユーザーズガイド
Revision Moto

 

end…