Buell XB12Ss-ECM改造D計画(息継ぎとアイドリングの改善)
ようやくBuellの持病「息継ぎ」それから「アイドリングの不調」を治すことができた。もう2シーズン大丈夫。
その顛末をご紹介します。
今シーズンに入ってからECMがおかしい。。どうも走っている最中にTPS(Throttle Position Sensor)が勝手にズレている感じがある。
TPSだけでなく、急にアイドリングが上がってしまったりもある。そして「バッチリの調整ができた」と思った次の日、始動するとまったく違った様子になっていることが何度か続いた。だいたい極端に薄くなった感じで「息継ぎ」症状が激しくなる。アイドリングが急に高くなることも。その都度道端に停車してはTPSリセットをして、、とかいった対策をしていたけど、どうやらTPSだけではない感じがある。
落ち着いてECMを調べてみることにした。ただ電子的にはよく判らないし、普段ECMSPYで設定を書き換えたりしている分には特におかしい、と思ったこともなかったので、もっと物理的なところから調べてみる。
どこがおかしいの?
どうやって治す?
さてここで、ECMを新しいものに交換すれば解決するのだろうけど、今や中古もそんなに出回らない。もともとECMなんて出回らないか、、 ネットで同じような問題を解決した人がいないか探してみると。。
いらっしゃいました。その1。日本の人。2016年の記事。
「Buell XB 故障原因 その8 ECMの手術」
http://donalspapa.blog34.fc2.com/blog-entry-493.html
いらっしゃいました。その2。アメリカのフォーラム。。実際にハンダ付けし直してうまくいった例。2012の記事だけどまさにこれ。
「Buell Ulysses XB12X & XB12XT Forum > through April 13, 2012」
http://www.badweatherbikers.com/buell/messages/142838/726411.html?1334338510
上と同じフォーフラムでのハンダ付け部分の写真付き。ハンダが割れているのが確認できます。
「Buell Ulysses XB12X & XB12XT Forum > 06 stumble, cutout, and CEL」
http://www.badweatherbikers.com/buell/messages/142838/809483.html?1500137318
このハンダのやり直し、2番目のリンク最初の2012年の発言者「Blitzer454」氏はよくこのハンダの割れに気付いたものだと感心する。この方法、上のアメリカの掲示板ではだいぶ前から、Buellの「シャックリ解消手段」として浸透している。アースの再点検と、ハーネス内のケーブルの断線点検も同じように何度も「要点検」が叫ばれている。
GW明けの土日で時間もあるので、試しにやってみることにした。とは言えECMのケースをホットナイフで開けて、コネクタの各端子が基盤に刺さっているピンのハンダ付けをやり直す、という中々の内容。失敗したら結局のところ「代替ECMを手配しなけりゃ」の案件だ。
実際に加工してみる
結局、元のメーカでのハンダ付けが甘かった? 見た目ではちゃんとキレイにハンダが盛れていたけど、スルーホール全体に行き渡っていなかったって感じだ。ハンダ吸収線で古いハンダを吸ってやったらスルーホールにしっかりハンダが流れてなかった。。
とはいえどうやらハンダは近年の産業界の流れで固い「鉛フリー」のを使わざるをえないから、のようだ。ただこれだとちゃんと溶けてスルーホールに行き届かないことはあるらしい(溶ける温度が高いから、っていうのもある)。しかも硬いために何年も経つと割れたりするらしい(これはBuellでだけ起きている問題ではないらしい)。おかげで今回ハンダ付けの温度やハンダの成分について改めて知ることがいくつかあった。
充塡剤はグリップの接着に使った「コニシボンドの「ウルトラ多用途SU」」の黒いヤツ。最近この接着剤はいろいろなところで重宝している。硬化するタイプで、硬化後もあまり痩せないので充塡剤としても使える。ただ空気中の水分などと反応するらしく、それ自体が化学反応で固まる(エポキシみたいに)のではないので、大量に使うと固まるまで時間がかかる。
今回も3回に分けて充塡してみた。
加工したECMを実装する
外装を剥いでしまったところをキレイに充塡はできたものの、剥いだところはコネクタの根元を支えていた部分だ。充塡剤だけでは強度が心配。今度外から力が加わったら、基盤がバキッと割れてしまいそう。。
TPSを新品に交換(後日)
end…