【保存版】ECMSPY設定チートシート(虎の巻)
とにかくここだけ気にすれば「だいたいオッケー」な項目を紹介します。
Buell XBだったらソフトやECMバージョンが違っても項目名は同じなので参考になるはず。また設定を台無しにする、Buell XBの「持病」に近いハードウェアの故障を「簡単な確認法」で発見しましょう。
始めに
Buell XBは「ECMSPY」を使えば、ECMがコントロールしているさまざまな設定をカスタマイズしてやることができる。燃調はもちろんだけど、ほかにも様々なセンサやコンピュータ制御の部品の設定なども好きなようにできる。
ただ設定項目が多すぎて、どこをどう変更したらいいのか、マニュアルを読み込んで実際に変更してみないと判らないことが多い。たまたまkunが試した設定項目について、ここにまとめておく。
設定作業の順で載せておく。。。けどやっぱりECMSPY本家の「Users’s Guide(PC)」で何をしているのか調べつつ、いじった方がいいかもしれない。下で「手を触れない」としているところは、どんな設定か判ってから変更した方がいいように思う。
【重要】
自分のバイクに本サイトの情報を試す時は、先に触れたECMSPY本家の「Disclaimer and Non-Warranty Clause」をよく読んだ上で実施してください。またこのサイトも著作者kunも保障しません。
導入部
その前に、ECMSPYのソフトをダウンロードしたり、Buell XBとパソコンを接続する方法はこちら。
「XB12Ssようやくエンジン快調に!ECMSPYの使い方」
https://nmainte.ducati-fan.com/bikemainte/kyuhaiki/6799
※EEPROM:Electrically EPROM |
ECMSPY > EEPROMまずはBuell XBのECMからの設定データの読み込み(Fetch From ECM)と書き込み(Burn Into ECM)、ECMSPYの設定を保存しておくファイルの読み(Load From File)書き(Save To File)、はこの画面から行う。 こういうPCに繋げて設定するものの定番だけど、設定されるもの(ここではバイク)の電源を入れておいてからECMSPYを立ち上げて、接続(設定の読み書き)を行う。 ここに表示されているカラフルな表は、設定値の生データを16進数でダンプしたもの。これだけ見てもなんだか判らない。またECMのバージョンによって同じ位置の数値でも意味が違ったりする。違うバージョンの設定ファイルを読み込もうとするとECMSPYから「警告」がでるのはそのため。 右下にバージョンが表示されている「BUE1D」がそうだ。Buellから`Fetch From ECM`でデータを取ってくると、自分のBuellのECMバージョンが判る。 |
ECMSPY > Maps一番見ていて楽しい燃調マップ。 値を変えるにはセルをクリックして下の入力欄に数字をいれてエンター。エンターしないと反映されない。 左上のプルダウン「Front」とあるところで、前シリンダと後シリンダ用マップを切り替えることができる。 (中の赤や青の線は後ほど説明する) |
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燃調マップを、Excelで視覚的に分かりやすいグラフにしてみたもの。 グラフの作り方は「Excel グラフ」とかで検索のこと。 参考)BUE1D用 今のところkunのお気に入り設定(EEPROMデータ) |
ここで確認
ECMSPYが接続できたら、簡単にハードの確認をしておきます。
↓実際のグリグリする「確認作業」 |
ECMSPY > Live & Log Data > Overviewこの画面を出して、左上のアイコンを左から順にクリックして、BuellのECMと接続すると、現状をリアルタイムに見ることができる。 この状態でECMにある2つのコネクターからのケーブルをグリグリしてみましょう。グリグリすると上の画面赤枠の数値がコロコロ変わる(赤点の項目もつられて変わっている)ようだったら、ECMSPYでの設定はちょっと待った。 グリグリするまでもなくコロコロ変わっているならそれも待った! ECM自身がよくない状況です。一つの解決策として本サイト内、次のページを参考ください。他サイトの例も挙げてあります。
とにかくハードがおかしかったら、どんなにECMSPYを駆使しても状況はよくならない。何度も設定が決まらずガックリする前に、簡単なので上の「確認」をぜひ試してみて欲しい。センサがイかれるよりここのトラブルの方が多いと聞く。 センサを交換したり、ECMそのものを高価な代替ECMに交換しても事態は良くならないのが通例のようです。 |
設定編
ECMSPY > Corrections > General右側の入力欄「Corrections」が重要。
kunは前のオーナが全体濃いめにしてあったのでまずこれを下げてやるところから始めた。 |
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ECMSPY > Corrections > Warmupエンジンの温度に応じてガソリンの吐出量を増減してやる設定ができる。
`Corrections`と`Corr.`は「補正」ととらえてよさそう。`Warmup Corr.`は走っている状態に働く補正でエンジン温度に応じてだんだん薄くするのがセオリー。 温度のランク(-10, 18, 60, 130℃など)の間は勝手に滑らかになるように計算されるらしい。 また温度のランクも変更できる。ただデフォルトより間隔を広げるとあまりいいことはない(細かく制御できないので)。kunはデフォルトの130℃と180℃の間に155℃を入れた(このあたりをもう少し濃くしたかった)。 |
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ECMSPY > O2 Setup > Closed Loop`Upper Boundary`, `Lower Boundary`はこの「クローズドループ」の範囲(マップの赤い線で描かれている領域)を決める。 |
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ECMSPY > Diagnostics > Error Marks > Sensorsここのチェックを付けたり外すことで、メータパネルの「エラー」ランプでの監視対象に入れたり外したりできる。 基本的に常時エラーランプが点いていると「車検をパスできないですよ」と教えていただいたことがある。本当かどうかは確認していない。 |
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ECMSPY > Diagnostics > Error Marks > Actuators逆にセンサや装置(隣のタブ`Actuators`にあるもの)を外してしまった時は、このチェックを外しておけばエラーランプは点かなくなる(1万円もする「レジスタープラグ」とかを購入しなくてもいい)。
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ECMSPY > System > Exhaust Value「排気の全開抑制バルブ」はエアボックス上のモーターを外したり、マフラーのバルブをワイヤをくくったりしなくても、ここの設定でスマートに制御できる。3つのポイントで開けたり閉めたりできる。ただし全開か全閉しかできない。開けっ放しにするなら9000rpm〜9000rpmとかにしてしまえば…
※WOTとは:「Wide Open Throttle」ガバっと開いた、領域 |
参考
いい具合の設定になるまでの顛末をざっとまとめたページ。「Buell XB」と「ECMSPY」とを接続するためのケーブルの作成や、ドライバのインストール、ECMPSPYのインストール(ランタイムのインストールも)もこちらをご覧ください。
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