kunのパソコン遍歴(Mac ProからDOS/V機へ)
kunはこれまでずっとMacintoshを使っていました。。
「kunのMacintosh遍歴」
PCゲームがきっかけ
2018年夏、gishicoがよくやるゲームが、パソコンからもネット対戦参加ができることを知った。
iMacにインストールしてみたところグラフィックボードの性能が足りないのでプレイできないとのメッセージが出た。調べてみるとiMac2011では、どうにもならないのが判った。普通にAdobe系のDTPも問題なく使えていたけれど、、おもしろそうだしゲームもやってみたい。。。
さらに調べてみるとMac Proならグラフィックボードを積めばなんとかなりそうだった。そしてちょうどこの頃、VMWare ESXiに出会った。サーバ的なパソコン買ってもサーバとして使えばまあいいかな、と物色しはじめた。
その1《Mac Pro (Mid 2012)》
2018年秋。ヤフオクで「Mac Pro Mid 2012」が出品されていた! 加えてメモリ,グラボ,SSD,HDD、、それからフルHDディスプレイやらを手配した。ハードウェアは次の通り。
- CPU:2.4GHz 6コアIntel Xeon E5645プロセッサ×2基!(計12コア24スレッド)
- GPU:ZOTAC GTX 1060 MINI Specs(GeForce GTX 1060 6G)中古
- サブ:Radeon RX470 ARMOR 8G OC(ヤフオクで入手) - RAM:8GB×4
- SSD:512GB, 256GB,HDD:2TB
ソフトウェアはこんな感じ(ハイパーバイザOS:VMWare vSphere ESXi 6.5)
- Windows 7 Home x64(VMWare Fusionから移設;GTX 1060のパススルーでデスクトップ使用;ゲーム用)
- MacOS Mojave(普段使いのいわゆるMac;Win7上のVMRCから使用)
- CentOs6(あると便利なローカルwebサーバやら、ファイル共有サーバとして)
グラボで苦労した…
ESXiサーバは前から気になっていたけど初めて触った。初めてといえばグラフィックボードもこれまで気にしたことなかったので、「GTX?」「NVIDIA?」「じゃあRadeonってのはなに?」、と周りのWindows系パソコンに詳しそうな人に聞きまくった。Google先生にもたくさん聞いて、ようやくグラボを決めた。vShpereでのグラボのパススルーと合わせて自作派の大変さを知った(ハードと設定の組み合わせに手間がかかること、かかること)。またMacPROは電気を食う。電気代が急に上がった。
同じ頃、会社のファイルサーバを更改することになった。ファイルサーバそのものはWindows Serverだけど、他にもLinuxサーバも立てておきたかったので、ベアメタルはDOS/Vというか、いわゆる「IAサーバ」機として、ESXiで行くことにした。このころには自宅MacPROでのESXiのノウハウもたまっていて、インストールから運用まで、MacPROでの経験をそのまま流用して、利便性やら可用性を上げることができた。
ベトナムでUbuntuに出会う
2019年夏。このころMacを日常的に使わなくなってきていた。お仕事はVB.NetやPythonがメインで、全部Windowsで作業していた。なんとなくMacを使う機会が減ってきていた。
そんな時お仕事でベトナムに出張することになった。現地の作業は楽しいものだった。自前のものだけど、30台くらいのLinux EdgeとWinサーバのIoTシステムを仕込んできた。しかもアルバイトとして手伝ってくれた現地のエリート学生は頭のいい奴ですこぶる捗った。ある日、作業している中で、ちょっとパソコンの処理待ちになったときの雑談の中から「Ubuntu使ってみるべき」と勧められた。。。ほー、Ubuntu。。
…帰国してからすぐ、UbuntuをESXiに載せて使い始めてみた!
そしたら、なかなかの好感触。おりしも会社でAndroid開発をすることに決めたことから開発環境の「IntelliJ IDEA」をUbuntuでも試してみた。これまたいい感じ。一番気に入ったのは「見た目」かな。じっと長い間、見ている画面なのでよい雰囲気のほうがいい。Windowsはどうにも3.1のころからなじめない、Windows10になってもなじめない。
しかも当たり前なんだろうけど、Linux機といろいろやるのに便利なこと。こちらも大幅に仕事が捗った。そりゃもう10倍くらい。ベトナムの彼は多分これを伝えたかったのだな。
MacOS環境の危機
ふと気づくとデスクトップはWindows7ゲストとUbuntuゲストで事足りるようになってきた。MacOSゲストはほぼ「iCloudクライアント専用機」になっている。。ベアメタルは図体が大きくて電気食いのMacPROでなくてもいいのか。。。 そもそもOSはESXiになっちゃっているし、いよいよベアメタルをMacからDOS/Vにしたほうがいいかな?と思い始める。ESXiのゲストOSイメージを移動すればまったく同じ環境で再開できるから移行に抵抗はないなと考えた。でも、ただ単にDOS/V機にしてしまうと、ライセンスの問題でMacOSが使えなくなってしまう。
いろいろ悩んだ末、メインのベアメタルはDOS/V機でESXi、MacOS環境はなにか適当なMacintoshを別に用意することにした。ちょうどいいタイミングで「Mac Mini 2012」をヤフオクで手に入れた。安かった!
そうそう、このMac Miniはメモリの増設やHDDの載せ変えができる(最後のモデルらしい)。RAM16GB,SSD512GBに換装したらMojaveがサクサク。とはいえOSのアップはここまでにしておこう。あと、、MacMiniにはディスプレイないけどどうする?
そして続いて初の「自作パソコン」に着手。
その2《自作1号機》
MacPROをいろいろいじっていて、グラボの調達あたりから「自作PC」に興味が湧いてきた。いろいろ調べ始めてみることにした。必要な性能のものを自分で作れそうな感じだし。。。
ところで「自作」というけど、結局市販の専用ケースに市販の電源キット,マザーボード,CPU,メモリ,ストレージなどを組み付けるだけだ、というのを初めて知った。なにか自分で作ることはしないので簡単。ただその部品選びに知識がいるけど、そこはgoogle先生が詳しいので大丈夫。一般的な構成をお聞きして、無難な部品をチョイスした。
Mac PRO資産が役に立った
グラボはMacPROに使っていたものをそのまま流用した。自作1号機が完成したらMac PROとiMacは売りに出すことにした。
そして組みあがったハードは次のとおり。全部で6万円ほど。売却したMac2台のお金で、MacMiniの中古(2万円ほど)と両方まかなえた。ディスク関連も残しておいたものを流用した。
- ATX対応ミドルタワーPCケース
- ASRock AMD B450チップ搭載 Micro ATX マザーボード B450M Pro4
- CPU:AMD CPU Ryzen 5 2600(6コア12スレッド Base 3.2GHz/Turbo 3.6GHz)
- GPU:ZOTAC GTX 1060 MINI Specs(GeForce GTX 1060 6G);MacPROから流用
- RAM:8GB×4
- SSD:M.2 PCIEx4 256GB 加えてMacPROのSSD:512GB,HDD:2TBを流用
- ATX電源:KRPW-N600W/85+
- ディスプレイ,キーボード,マウス,スピーカもMacPROから流用
ハイパーバイザOSはVMWare vSphere ESXi 6.5として、ゲストOSはこんな感じ。
- Windows7 Home x64※(GTX1060をドライブパススルーしてデスクトップで使用;ゲーム用)
- Ubuntu 18.04(開発用;IntelliJ IDEA;Win7上のVMRCから使用)
- CentOs6(あると便利なローカルwebサーバ,ファイル共有NASサーバ)
※Ryzen PCに直接Windows7はインストールできない、がESXi上ではインストール、動作が可能です。
自作をやってみて
組み立てには、特別必要なスキルはあまりない。スクリュードライバでねじを外したり留めたり、コネクタに配線を差し込むのに抵抗がなければいける。あとはケースの中できれいに配線するセンスかな。
kunはMacPROでの経験がとても役に立った。ハード/ソフト共に知っているMac環境でワンステップ、スキルアップしといてDOS/Vに移ったのがよかった。
あとディスプレイがなかったMac mini。でもMacOSには標準のVNCサーバ(画面共有)があるので、1号機から遠隔操作することにした。少々面倒くさいので、いずれディスプレイ切替器でも導入しましょう。
もう1台自作しよう
2020年新春。しばらくこの環境で使っていたけど、このころ会社のIntelliJ IDEAが遅いのが気になってきた。
使っているパソコンは2019年の夏、ベトナムへ出張する前に買ってもらったHPノートだ。Corei5-7200U(2.5GHz)/RAM 16GB/M.2 SSD 256GB/HDD 1TBでwindows10を動かしている。たぶん社内では最新で最高スペックのパソコン。ただ、いかんせんKotlinの開発環境「IntelliJ+Androidエミュレータ」を動かすには力不足を感じる。コンパイルに分単位の時間がかかったりする。
その3《自作2号機》-now
そこで少々処理能力が高いヤツを1号機と似たような構成でもう一つ作ることにした。
ハードはつぎのとおり。基本CPUの強化だけ。。ディスクはそのまま1号機のものを持って行った。
- ATX対応ミドルタワーPCケース(1号機より少し小ぶり)
- ASRock AMD B450チップ搭載 Micro ATX マザーボード B450M Pro4
- CPU:AMD CPU Ryzen 7 2700(8コア16スレッド Base 3.2GHz/Turbo 4.1GHz)
- GPU:Radeon RX470 ARMOR 8G OC;MacPROの時にサブで用意しておいたもの
- RAM:8GB×4(うち、×2は1号機から移設)
- SSD:M.2 PCIEx4 120GB 加えて1号機からSSD:512GB,HDD:2TBを移設
- ATX電源:KRPW-N600W/85+
- ディスプレイなし,スピーカなし
- 操作はもとからあるWindows 10端末(1号機)からVMRCで行う
ディスクが1号機のものなのでソフトウェア的な構成は変わらず。VMWare vSphere ESXi 6.5として、ゲストOSはこんな感じ。
- Windows 7 Home x64(Win 7テスト環境;1号機から移設)
- Ubuntu 18.04(開発用;IntelliJ IDEA;1号機から移設)
- Cent OS 7(メールサーバとローカルwebサーバ、Slack中継サーバとか)
CPUが強化された分だけ少し快適。これで会社の開発作業も楽しくなります。
そして1号機は…
ところで1号機はESXiサーバをやめてスタンドアロンのゲーム専用機にしてしまった。ただそうなるとWindows 7が動かないので、Windows 10 Homeを新たに購入した(価格は1号機全体の20%、これが一番高いと感じた)。あと一応VMWare Player上でUbuntu18.04を動かしてはいるが使ってない。
その4 ワークステーションにしたら《Dell Precision 7810》
(2021/01)
本格的に開発機として使い始めたら、一緒にLinuxもいくつか動かしたくなってきた。IPアドレスを節約したくて、NATとDHCPをやってくれるルータを立てて、他のゲストはvSwitch介してその下に置いてやったり。。
そうなるとCPUのコアとメモリが足りない。今度は自分で組み立てるのはやめて、メーカーのワークステーションにすることにした。やっぱり冷却やマザーボード、コネクタ類の信頼性とか考えるとそうしたほうが良さそうだ。
そこで中古を探して、、以前のMacPROと動作クロックが同じ2.4GHzのXeon E5-2620 v3 (6Core)が2個(ESXi から見ると全部で24コア使えるように見える)、メモリはなんと64GB!の中古が6万円台とお安くでていたので購入。たぶん新品購入時の1/10よりお安い。
ハードのあらましは大体つぎの感じ。
- DELL Precision Tower T7810
- CPU:Intel Xeon E5-2620 v3 6Core 2.40GHz x2CPU
- GPU:NVIDIA Quadro K600
- RAM:64GB
- SSD:M.2 PCIEx4 1TB,HDD:2TB(両方とも2号機から移設)
ソフトは、OSをDELL Precision用ドライバの含まれたESXi 6.7にアップグレードした。ゲストは2号機のストレージを持ってきて繋いだだけ。そうそうPrecisionにWindows10 Proのライセンスがついてきたので、WindowsゲストをWin7HomeからWindows10 Proにアップグレードしてやった。これからはWinの開発のメイン機になるかな。。折しもデカいWin10アプリ開発が本格化してくるのでありがたい。あとグラボがQuadroだったので、ドライブパススルーはなにもいじらなくて簡単にできた。。
クロックは2.4GHzと以前のMacPRO 2012と同じだけど、バスやメモリの速度が上がったせいか、全体的に効率良く動いてくれる。開発や環境構築の作業も楽しくて(これ大事)捗る。
1号機はそしてまた…
2号機の機能はすべてPrecisionに移してしまった。2号機にはせっかくのRyzen7に1号機のメモリやグラボ、ディスクを移植して、Ryzen7+GTX 1060のステキなゲーミングマシンに仕立ててやった。結局1号機は余ってしまったので売りに出すことにした。
その5 ラックマウントサーバに《Fujitsu PRIMERGY RX2540》-now
(2022/10)
Kotlinのコンパイルがどんどん重くなって行く。。。アプリが大きくなってきたからか。寄る年波でさっきやろうとしていたことをすぐに忘れてしまうから、コンパイル速度は重要だ。
でもワークステーションでステップアップするには少々経済的に厳しい。探してみたらラックマウントだったら速くて安いのが中古で出てる。
課題は床面積を大きく消費する事、ファンの騒音がバカにならない事か。。
あとはグラボ? PrecisionのQuadroでの画面のドライブパススルーは便利だったけど、さほど重要じゃなくなってきている。もう、なにかディスプレイにコンソールが映せるだけの最小限のグラボがあればいい。
そもそもワークステーションが高価なのは、3D-CAD/CAMなどを使うために高価なグラボ「Quadro」が標準装備、ってことだったりする。
よし次はラックマウントにしよう! 置き場の算段しながら、その床を占める面積とファンの騒音の対策(問題にならない場所へ置く、という対策)も行った。
ハードはこんな感じ。CPUは例によって6コア×2CPUで24コアとして使える。
やっぱり「サーバ機」、SAS-RAIDディスクを始め装備がすごい。これでも先の中古Precision7810とほとんど変わらない価格で手に入れることができた。半導体不足の昨今に、新品時の1/20、、いや1/30とかじゃない?!
- 富士通 PRIMERGY RX2540 M2
- CPU:Xeon E5-2643 v4 6Core 3.4GHz x2CPU
- GPU:ボードマウント(VGA)
- RAM:
64GB128GB - ストレージ:SSD:M.2 PCIEx4 1TB(Precisionから移設),HDD:1TB×4(SAS-RAID0)
- 電源:冗長電源(2個)
ソフトはOSにESXiの富士通ドライバ込みのを入れて、あとはPrecisionのストレージからゲストイメージを移動した。
SASのHDDが速い。速度と容量優先でRAID0にしちゃった(購入時はRAID6だったけど)からかもだけど。Precisionで使っていたSATA-SSDからVM ゲストイメージをコピーしてみたら、SATA-SSDに引けを取らないどころか少し速いかも。お高いSAS-HDDのRAID0はさすがだ。
ファンの騒音も思ったより小さい(BIOSを最新のものにしたらより静かになった)。
あと、使わないけどLANポートと、光ポートが増設されていた。また電源が冗長化されているのでちゃんと有効に使ってやろうと思う。
Mac PROの改造、自作PCから始まったけど、いつのまにか「藁しべ長者」的にラックマウントを導入してしまいました。
Precisionはまた頃合いを見計らって売りにだすことにした。
ちなみに…
今でもマイベストMacintosh《MacBook Air 11-inch, Mid 2011》は現役。El Capitanはさすがにブラウザまわりが動かなくなってきたのでUbuntu22.04を入れている。で、やっぱりサクサク動いています(2024年12月)。
end…